2009年10月28日水曜日

ぼくらの 感想

感想文というのは普段滅多に書かないのですが、今日は書いてみることにします。


「ぼくらの」を知ったのは、ニコニコ動画の「ロボットの大きさ比較動画」見てでした。
アーマードコア(約10メートル)を基準にゲームやアニメのロボットや戦艦の大きさ比較するものです。
その動画で、一際大きく、細身なロボット、「ジアース」を知りました。

その後、ジアースは「ぼくらの」というアニメに出てくるロボットであり、パイロットは中学1年の子どもであることを公式サイトで知るのですが、同時に「パイロットになった者は必ず死ぬ」といういかにもホラー映画にありそうな設定にしばらく見るのを躊躇していました。

2週間前の週末になって、プレイし飽きたゲームのかわりに見てみることにしたのです。


■大まかなあらすじ
臨海学校に参加した15人の少年少女が自由時間を持て余して洞窟探検をしていたら、リュックを背負ったなぞの男と出会う。謎の男はココペリと名乗り、ゲームの開発者だと言う。開発したゲームをやってみないかと子どもたちを誘う。15体の敵から地球を守るゲームを。そしてプレイヤーとしての「契約」をさせる。
子どもたちは海辺で目を覚ますが、それが夢ではないことがすぐに分かる。目の前に巨大なロボットが出現したのだ。その大きさおよそ500メートル。両手が槍のような、黒くて、強そうなロボットだった。
気がつくと子どもたちはコックピットにいた。そこには子どもたちと縁のある椅子が15あった。コックピットにはココペリもいた。彼は手本として最初の1体を倒す。ココペリからロッボットを託されると再び海辺で目を覚ます。
そして、次の敵が現れる。今度は子どもたちの番。そして戻ることのできない戦いが始まる…


話が進むと「パイロットになったものは必ず死ぬこと」が明かされるのですが、最初の二人はその事実を知らないまま戦い、命を落としています。
パイロットが死んでしまう理由は、パイロット自身の命をエネルギー源として動いているからだそうです。
だから、パニック映画とかホラー映画にありがちな、得体の知れない力によって無理矢理殺されるのではなく、魂が消費されてなくなってしまうという描写がされています。
そうでなければ、ホラー嫌いの僕は最後まで見続けなかったと思います。

パイロットはルーレット形式で選出され、敵が現れれば戦うことになります。
ゲームのルールとして、48時間以内に決着がつかなければ宇宙が消滅します。
勝っても死、負けても死、という過酷な運命が彼らを待ち受けているのですが、それぞれが「残りの時間」を自分や家族のために過ごし、人生に納得した上で戦っている姿が非常に印象的な作品です。

死を中心に据えた、一見陰鬱な作品に思われがちですが、子どもたちの人生はパイロットに選ばれた瞬間からその最期のときまでが最も輝いています。
自分の人生に決着をつける者や、残される家族をおもう者、新たに生まれる家族のために戦う者や、親友を救うために自らの身を捧げるもの…
だから切ないながらも、彼らの生への前向きな姿勢に心動かされます。


そうそう、この作品の主題歌「アンインストール」は以前ニコ動で流行ってたらしいですね。
確かに「ぼくらの」本編をもとにしたすばらしい曲だとおもいます。
僕も以前、ランキングで見かけたり、動画のBGMとして聴いたことがありましたが、本編の内容を知るとあらためてそのすばらしさを知ることができました。
単なる偶然とのことですが、曲中で15回「アンインストール」と言っているのが散ってゆく子どもたちの命の数と一致しています。
なんかもう、きやすく「アンインストール」とは言えませんね。


暗いシーンや「まさに外道」なシーンもありましたが、後半はゲームの謎が明かされたり、国家や権力者たちを巻き込んで物語が急展開を見せてくれます。
最初の印象とは裏腹に、結果的に心に残る作品だったと思います。

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